『リーダーシップ論』ジョン・P・コッター ダイヤモンド社

変革を行うリーダーのための1冊です。私が、リーダーシップに関する本の中で、一番最初に読んだ本です。

変革リーダーに求められること、変革の進め方、変革を進める上での障害とその対処方法などがまとめられています。

第2版 リーダーシップ論
ジョン・P・コッター
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 44,360

 

著者は、ハーバードビジネススクール名誉教授であり、リーダーシップ教育の第一人者とされるコッター。

一見すると、すべてにつながりのある一冊の本に見えますが、それぞれの章はハーバード・ビジネス・レビューに寄稿した論文を収録したもの。従って、1冊を通読するのではなく、興味のある章だけを読んでみるというのもありでしょう。

第2版になって、7章、8章が追加され、翻訳が一新されています。

章立ては以下の通りです。

  • 序章:リーダーシップの未来
  • 第1章:リーダーシップとマネジメントの違い
  • 第2章:企業変革の落とし穴
  • 第3章:変革への抵抗にどう対応するか
  • 第4章:権力と影響力
  • 第5章:上司をマネジメントする
  • 第6章:マネジャーの日常
  • 第7章:自分のアイデアを支持させる技術
  • 第8章:【特別インタビュー】迷走するアメリカ企業内大学

序章:リーダーシップの未来

本書の第1版が出版されたときに書き下ろされたもの。第1版は本書の第1章から第6章まで(順序が少し違っていますが)なのですが、その総括的な内容ともいえます。

今の組織の大半にはリーダーシップが不足していること、リーダーシップとマネジメントの違いについて、変革にはリーダーシップが重要などなどがまとめられています。

全体像を把握するために、最初に読むといいかもしれません。

といいつつ、理屈っぽいところもあるので、他の章を読んでから全体のまとめをするという意味で、最後に読む方がいいともいえます。

第1章:リーダーシップとマネジメントの違い

タイトル通り、「リーダーシップ」と「マネジメント」は別物であることが強調されています。結局、○○長などの役職になれば、どちらもやらなければいけないので、その違いなどどうでもいいと思われるかもしれません。でも、その違いを理解しないと、マネジメント過多になって、うまくいかないこともあるのです。

ここでは、その違いを理解した上で、今やるべきことにあわせて、リーダーシップを発揮したり、マネジメントしたりすることが大事だという説明がされています。

じゃあ、それぞれの定義は何かということですが、
マネジメントの役割は、複雑な状況にうまく対処すること、リーダーシップの役割は、変化に対処すること
としています。

組織をうまくまとめられない原因と解決のヒントがここにあるかもしれません。

第2章:企業変革の落とし穴

あの有名な企業変革の8段階と、それぞれの段階での落とし穴が記されています。どのような企業の変革も、8段階のプロセスを踏むといいます。実際にいろいろ経験してみて、確かにそうなのかもしれないと思います。

本気でこの8段階を使って変革をしようと思うのなら、『企業変革力』や『ジョン・コッターの企業変革ノート』を参考にするとよいでしょう。

第3章:変革への抵抗にどう対応するか

変革をしようとすると、必ず抵抗する人が現れます。これはもう間違いありません。変革を進める上で、あらかじめ「こんな抵抗があるぞ」ということを想定し、対処方法を準備しておくと、うまくいきやすくなります。

ここではどんな抵抗があるのか、それぞれの抵抗に対する対処法などがまとめられています。

第4章:権力と影響力

どのようにして人を動かすパワーを身につけるか、そのパワーを強化するかが書かれています。

○○長の権限ということではなく、「あなたが言うのなら、信じるよ」「この人が言うのならやってみよう」そんなことを思わせるような影響力をどう身につけるかが説明されています。

第5章:上司をマネジメントする

中間管理職の立場で、何かをやろうとした場合、上司や他部門をどう動かすか、どう動いてもらうかが重要です。

ここではどのように上司との関係をうまくやるかが説明されています。

第6章:マネジャーの日常

優秀なビジネスリーダーの1日の行動を、分単位で紹介しています。理論からではなく、実務者の実際の行動を元に、どうしてそうやっているのか、何のためにやっているのかなどを考察します。

現在同じような役職にある方にとっては、自分の行動パターンと比較することで、大いに参考になる部分があるのではないでしょうか。

これからそういう役職になる方にとっては、今後身につけるべきスキルや、見習うべき行動が理解できると思います。

第7章:自分のアイデアを支持させる技術

新しいアイデアを実現しようとするとき、必ず現れる抵抗者にどのように対処するかがまとめられています。

「アイデア潰し」の質問が24種類紹介されており、あらかじめどのように対処するかを考えるヒントになります。

ポイントの一つは、攻撃に対して攻撃し返すのではなく、相手の意見を聞き、あえて批判をさせて、反撃しないということだといいます。

確かに、物事をうまく進めようとする場合には、戦わない方がいいケースが多々あります。

第8章:【特別インタビュー】迷走するアメリカ企業内大学

企業内大学は、真のリーダーシップを育成する場所ではなくなっているといいます。MBAプログラムも、マネジメントに必要な知識を教えるものですが、リーダーを育成することとは違うといいます。

ここでも、マネジメントとリーダーシップの違いが語られています。

この違いを理解しておくことは、リーダーを育成する立場の人間にとっても、自分がリーダーとなる人間にとっても、とても重要なことだと思います。

どの章が、どんな目的で役に立つか

最後に、目的別に、どの章が参考になるかをまとめておきます。

変革を推進したい

  • 第2章:企業変革の落とし穴
  • 第3章:変革への抵抗にどう対応するか
  • 第7章:自分のアイデアを支持させる技術

リーダー(マネジャー)としてレベルアップしたい

  • 第1章:リーダーシップとマネジメントの違い
  • 第4章:権力と影響力
  • 第5章:上司をマネジメントする
  • 第6章:マネジャーの日常

リーダー(マネジャー)を育成したい

  • 第1章:リーダーシップとマネジメントの違い
  • 第8章:【特別インタビュー】迷走するアメリカ企業内大学

もちろん、すべてに関連性がありますので、そこだけ読めば完璧!というものではありません。念のため。

第2版 リーダーシップ論
ジョン・P・コッター
ダイヤモンド社
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