リーダーシップとマネジメントの違いとは何か

リーダーシップとマネジメントの違いを明確にすることはとても重要です!

「リーダーシップ」と「マネジメント」

一体何が違うのだろう?

かつて、とても悩みました。学者が書いた本を読むと、いくつかの説があって、それぞれもっともだなと思う反面、どうもしっくりこないというか、理解できないというか、スッキリとしませんでした。

大体、リーダーシップとマネジメントと分けることに意味があるのか。

人の上に立つ人なら、どちらも必要になるものですから、わざわざ分けなくたっていいのではないか。

違いがよく分からなかったので、そんなことも考えました。

でも、今は違います。きちんと分けて考えた方がいい。

絶対に、それぞれの違いを理解した方がいい!

違いを明確に理解することで、自分には何が足りないのか、何を強化するべきなのかなど、やるべきことが明確になるからです。

とはいうものの、別に学問的に正しい定義(そんなものがあるのかどうか知りませんが)を導き出し、それを理解する必要もないと思っています。

私の立場では、あくまでも実際に組織リーダー(マネジャー)として活動していく上で、よりよいリーダー(マネジャー)になるために役立てばいいわけで、学問的に正しいとかどうかはあまり関係ありません。もちろん、間違っているものだと困ったことになりますが。。。

というわけで、いろいろな説を紹介した方がいいのかもしれませんが、今回はそうはせず、私なりの違いをはっきりさせた上で、なぜ、違いをはっきりさせることが重要なのか、また、それをどのように実践に生かすのかをまとめてみたいと思います。

私なりに考えたリーダーシップとマネジメントはこうです。

  • リーダーシップ:メンバーを一つの方向にまとめ、団結させること
  • マネジメント:メンバー一人ひとりの力を最大限に引き出すよう働きかけること

少し違う言い方をすると、リーダーシップはその組織全体のことを俯瞰して、組織を引っ張っていくということ。マネジメントは、その組織のメンバー一人ひとりに注目して、それぞれを生かすよう働きかけるということ。つまり、全体を意識するか、個を意識するかが大きな違いです。

リーダーシップとは、メンバーを一つの方向にまとめ、団結させること

うまくいっている組織は、それぞれのメンバーの能力を単純に足したものよりも、もっと大きな力を発揮します。1+1が2ではなく、3以上になるというイメージです。そういう組織は活発だし、元気だし、力強く、明るく、楽しいものです。できれば、そういう組織で仕事がしたいですよね。

一方、うまくいっていない組織は、1+1が2にならず、それよりも小さくなってしまう組織です。メンバー一人ひとりがもっともっと力を発揮できるのに、発揮できていない。あるいは、発揮しようとしていない。他のメンバーと協力しようという気持ちもない。そういう組織はもろいものです。何かあるとすぐ壊れます。できれば、そういう組織では働きたくありません。

では、うまくいっている組織とそうではない組織の違いはどこから来るか。

これは、元をたどれば、リーダーの力量の違いです。リーダーがきちんとリーダーシップを発揮していれば、少しずつうまくいきます。現状がどんな状態なのかにもよりますが、リーダが正しくリーダーシップを発揮していけば、うまくいっている組織の姿に少しずつ近づいていきます。

もし、いろいろやっているのにそうならない場合は、よく考えてみる必要があります。何か間違えていないか。何がうまくいっていないのか。

リーダーシップで重要なのは、自分から進んでやろうと思わせること

一つ大事なのは、一つの方向にまとめるときに、強制してはいけないということです。リーダーは上の立場にいるので、指示、命令で、ある方向に向かせることができます。でも、それでは、本当に組織が一つにまとまる訳ではありません。なぜなら、表面上は従っているように見えて、心の中では全然違うことを考えている人も出てくるからです。

そうなると、結局、うまくいっていない組織のように、団結力もないし、一人ひとりの力が発揮されていない状態になります。

リーダーシップで重要になるのは、強制してやらせるのではなく、メンバー一人ひとりが、自ら進んでやろうという気にさせることです。

「今年の方針は○○だ。その通り行動しなさい!」

これは、リーダーシップではありません。命令してやらせるのは、リーダーの正しい仕事ではありません。もちろん、仕事上そういう場面が必要になることも否定しません。ただ、リーダーシップという点では、それは違います。

では、どうするか。

「今年の方針は○○だ。この方針でやっていけば、○○になって、△△になって、うちの会社も業界の中で一目置かれるようになる。◆◆についてはうちの会社に頼もうと思ってもらえるよう、○○に重点を置いてやっていこう」

違いは何でしょう?

長さが違うのは明白です。それ以外でいえば、命令口調ではないということもあります。でも、一番大きな違いは、そこではありません。

一番大きな違いは、この方針で実行していったときのイメージを示していることです。

この方針でやることで、こんな姿を実現したいというビジョンを示していることです。

そうすることで、メンバーを自ら進んでやろうという気にさせるというわけです。

命令して強制的にやらせるのではなく、メンバーが自発的にやろうという気にさせることがリーダーシップでは重要です。

一方、マネジメントとは何か。

マネジメントとは、メンバー一人ひとりの力を最大限に引き出すよう働きかけること

組織全体がこの方針でやっていく中で、一人ひとりが目標設定をし、そのために行動計画を立て、その結果どうなったかを検証する。PDCAをしっかりやる。このあたりを、サポートしていくのがマネジメントです。

きちんとできているかチェックするということも、その中に含まれるといえば含まれますが、「チェックする」という考え方は、できれば避けた方がいいでしょう。

なぜかというと、それは、メンバーを信用していないという表れだからです。

よくあるのが、「なんでやってないんだ!ちゃんとやらなきゃダメだろ!」みたいな指導です。

このようなことを、きつく、強く、厳しくいっていけば、部下がきちんとやるようになって、これが上司の役目だと考えている方が多数見受けられます。でも、これでは、部下の力を最大限に引き出すことにはつながりません。

このスタンスでやっていくと、部下は「いわれたことはやる」「やったように見せかける」「いわれなければやらない」というようなことになっていく恐れがあります。

部下の力を最大限に引き出すためには、どうすればできるかを一緒に考えてあげることが重要

部下の力を最大限に引き出すためには、部下自身が、自分からやろうという気持ちにならないといけません。

そのためには、やったかどうかをチェックするというよりも、なぜできなかったのかを一緒に考え、どうすればできるようになるのかを一緒に考えてあげることです。

そのためのツールとして、PDCAとか、目標管理などが使われていると思います。これらのツールが、部下に「やらせる」ためのツールになってはいけません。「部下の成長につなげるため」のツールとして使われるようになると、部下の自主性も育まれ、成果としても見えるようになっていくはずです。

さて、簡単に、リーダーシップとマネジメントの違いをまとめてみましたが、最後に、なぜ、これが重要なのかをまとめます。

エクセレントな組織になるためにも、リーダーシップを発揮しよう!

うまくいっていない組織は、このリーダーシップを忘れていることが多いのです。

普通の組織は、ここでいうマネジメントはそこそこうまくやっています。部下にやらせるというスタンスではなく、部下の力を引き出そうと努力をし、それなりにやっているような状態です。ものすごく活発でもないし、組織が一丸となっているというほどではないが、仲が悪いわけでもなく、それなりには協力したりもして、まあ可もなく不可もなくというようなイメージです。

うまくいっていない組織は、マネジメントの部分から間違っています。上司が部下にやらせる、命令してそれに従わせる、部下の自主性とかやる気とかを無視して、全てが上意下達でやらせるだけ。必要に応じて指示・命令をするというのではなく、部下はただ上司の命令に従うだけ。これでは、一人ひとりの力が発揮されるわけもなく、協力体制ができるわけもなく、うまくいかないのは当然です。

ただ、これほど極端な組織はないと思うので、大抵は、普通の組織の中に入ると思います。

その普通の組織から、エクセレントな組織になるために必要なのが、リーダーシップです。

でも、日々の業務の忙しさの中では、それを忘れてしまうのです。重要なことだという認識がなくなってしまうのです。

これを忘れないためにも、リーダーシップとマネジメントは違うということをしっかりと認識することが重要だと考える訳です。

皆さんも、改めてご自分の組織やご自分のことを振り返ってみてはいかがでしょうか。

きっと、何か発見があると思いますよ。